2017年8月11日金曜日

(468) valuは資本主義へのアンチテーゼ?

流行っているようなので、valuに登録してみた。

二週間くらい待ったら、審査に通してもらえた。この場をお借りしてお礼申し上げます。

『「炎上 消耗」でググると首位表示されるブログをやっています』だけしかアピールできる事がない平凡な中年既婚男性会社員の私。

驚いたのは、「炎上 消耗」でググった時、本日現在だと私のvaluが1ページ目に出て来るようになった。日本語圏内のネットの世界では相当程度valuが注目されているんだろう。

私達昭和世代までは、「労働は義務」「働かざる者食うべからず」というのを刷り込まれた世代だが、イケハヤさんを始め、若い方達は「好きな事を仕事にする」というのが当たり前になりつつある。

一時期NPOのブームがあったが、結果的には、やりがい搾取のような犠牲が大勢生まれてしまったように思う。その経験を踏まえて、「(世の中にも貢献する)自分の夢をパトロンになって応援して下さい!夢を一緒に追いかけてもらえませんか?」的な動きがクラウドファンディング。そこから更に進化してvalu。

個人的な印象だが、日本語圏内での、ガラパゴス化した究極の進化であるvaluは、結果的にはアメリカ的な資本主義のアンチテーゼになりつつあるのではないだろうか?

アメリカ的な資本主義は、基本的にはカネ。シリコンバレーや電気自動車のテスラのように、リスクや夢のある所に金が集まり、現実に優秀な人材を世界中から集め、本当に新しいものを現実化させ、そして利益が出て、金が膨らむという好循環ができている。だからアメリカ的な資本主義は成功している部分もある。

だが、アメリカの忘れられた人々の多数は、結果としてトランプ氏を大統領にした。ごく一部のアメリカン・ドリーム成功者への富の集中に対して、かつての中流層の不満が限界に達したんだろうと思う。

アメリカはカネを稼げない人、カネがない人に対してはとことん厳しく冷たい父性社会。チップを払ってくれる人は客だが、サービスしてもチップをくれない客は客ではなく、『泥棒』と認識される世界。

母性社会である我が国日本独自のvaluは、この180度反対の方向に向かおうとする世界に見える。だからアメリカ的資本主義のアンチテーゼ。残念ながら、あまりカネは集まらない気がする。

日本の場合、世の中はカネじゃない。カネの話はむしろ露骨にしない事を推奨される文化。性善説が前提で、皆が世の中のためになる自分の夢を追いかけてそれで世の中が良くなるのが理想。でもメシを食うにも何かするにもお金がかかる。だからクラウドファンディングであり、valu。

こういう日本的な母性社会が成り立ってくれればそれは素晴らしいと思う。

だが、アメリカだけでなく、今の世界は基本的には父性社会に向かっている。

結果的にnoteもそうなったように見えるが、おそらくvaluもあっという間に父性社会化、弱肉強食が顕著な世界になると予想する。具体的には、ごく一部の勝者であるホリエモンやイケハヤさん的な人に一時的に金が集まったとしても、大多数の中流層にとっては費用対効果が合わない世界。つまりリアルの労働市場よりもさらに厳しく非情な世界。

私も含む平凡な中流層は下流への転落を防ぐため、正社員の既得権の椅子取りゲームからなかなか逃れられない。日本の社会保障の崩壊が始まると、今のままだと日本もアメリカと同様に、とんでもなく厳しい弱肉強食の世の中になりそう。

...氷河期世代の日本人である、私だけの肌感覚、悲観的な考え方なのかもしれないが。

ああ、カネも余裕も足りない(泣)

1 件のコメント:

世間研究家 さんのコメント...

YouTuberヒカル氏のValuでの騒動が日経(電子版)のトップニュースに。

この騒動をきっかけに規制が入りValuが衰退するのか、それとも粘り強く仕組みが維持できるか。

残念ながら、カネが動く資本主義の世界は、性善説だけでは成り立たない。個人的な予想としては、おそらく(お金の面では)衰退する方向に向かうと予想する。

というか、東証一部でも東証二部でもいいから、カネが実際の日本の株式市場に回るようになって欲しい。valuが何でもありの無法地帯である事の対極として、リアルの株式市場の方は規制やルールで、がんじがらめになり過ぎている気がする。

valuも株式市場も、頑張ってください。