2016年12月1日木曜日

(424) 学歴インフレじゃなくて学歴デフレ

以前「知識デフレ」について知恵袋やOK Waveで質問した時に、どうしてもお互いに意思疎通ができない事が生じたんだが、"インフレ"と"デフレ"という言葉が、混乱を招きやすい。

私の言葉の定義では、今の日本(だけじゃなく世界)で起こっている現象は、学歴インフレではなくて、学歴デフレ。

経済の分野の用語として使われる時、インフレは「価格の上昇」を伴い、デフレは「価格の下落」を伴う。

私の言葉の定義は、素直にこれに従っているだけ。

正反対の意味で捉える人は、「学歴インフレ」という言葉を、金銭的価値ではなくて、「学歴そのものが膨らんでいる」という意味で考えている。

それはそれで一つの言葉の定義だが、今の日本で起こっていること(頑張って勉強して高学歴になっても、必ずしも高収入は期待できない、それどころか、博士課程のように、高学歴過ぎると就職が難しくなる)、これは素直に経済学用語で考えれば「デフレ」だ。

昔のオイルショックによるトイレットペーパーの買い占めにより、トイレットペーパーが値上がりした。これはインフレ。

モノが足りなくなればインフレになり、モノが余ればデフレ。

学歴や知識などのサービス、モノ以外も基本は同じ。需給バランスが引き締まれば価格は上昇し、逆に需給が緩めば価格は下がる。

学歴がデフレ化したのは、知識がネットの発展(特にコピペ)によってデフレ化したから。

スマホかパソコンがあれば誰でもタダで簡単に知識が手に入る状況になれば、学歴というのが「頭の中に入っている知識の量」の指標であるとすれば、引っ張られて全部デフレ化する。

仮に、学歴が検索能力の上下に大きく影響するなら話は別だが、誰が検索しようが、出てくる内容にそれほど大きな差はない。

それなのに、「学歴デフレ」では上述の私の趣旨で書かれた記事が全くと言っていいほど出てこない。

「学歴インフレ」での検索だと、たくさん表示される。

カタカナ言葉の「インフレ」「デフレ」は、経済での用語が有名のはず。

誤解を生む使い方が、一般化してしまうと、皆の思考が停止してしまう。(思考停止ワード)

言葉は気をつけて使う必要がある。

http://manabow.com/hayawakari/hayawakari4_1.html
インフレ、デフレについてのわかりやすい説明の例。私の場合は、ここで出てくる"バナナ"を、学歴、知識、情報などに置き換えて考えている。

バナナとの違いは、それがモノであるか、質量のないサービスであるかという点。また、極めて大きな特徴の違いは、バナナはコピペが不可能だが、知識や情報は無制限にコピペできて、経年劣化が極めて少ない。

バナナがアトム経済、知識や情報がビット経済とも捉えられる。

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