2012/3/2 15:30加筆・修正
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同族経営
とんでもなく驚いた。
日本って、名だたる上場企業の多くは同族経営だったんだ!!
そりゃ、欧米式の株式システムを導入しようとしても衝突が起こるのは当然だ。
個人を最小構成単位とするアメリカ(宗教で、親子であっても基本的に「他人」)
家族を最小構成単位とする日本。
前提が全然違う。
ひずみが出るのは当然だ。
今、初めて、何故最近、日本で創業者一族による
MBOがこんなに増えつつあるか、腹に落ちた。
あのトヨタが、創業者一族を社長にしているのが感慨深い。
上場を維持しつつ、日本の良さを残す(トヨタは、日本でのモノづくりにこだわる事を明言している)
その苦しみ、葛藤の結果が、創業者一族の社長復帰だとすると、
もう、概ね日本での経営が進むべき道の答えは出ているのかもしれない。
やはり、さすがはトヨタだ。俺のようなサラリーマンには想像もできない程の葛藤を乗り越えられて、
現在に至っている。
トヨタという会社にとっての創業者一族(豊田家)が、
日本にとっての皇族に近い存在になっているような気がするのは
俺の気のせいか?
この直感が正しいとすると、日本と言う国自体が、一つの巨大な疑似家族であり、
だからこそ、象徴としての皇族が日本国に必要なのか?
・・・また話が深くなりすぎてしまった。
同族経営に話を戻して、MBOをするか、上場維持するかの選択に関して。
創業者一族によるMBOで、何代目かに必ず起こるであろう、「カジノでのご乱心」コースか、
監視システムの構築による、上場維持か。
トヨタが後者を選んでいるんだから、「会社ムラ」をできるだけ長く存続させたいという悩みの答えは、
創業者一族が経営陣に残りつつ、上場を維持するという、折衷案なんだろう。
GREEや楽天、ファーストリテイリング等は、まだ1代目だから、
こんな悩みはまだまだ先なんだろうが、いつかは取り組まねばならない課題だろう。
社内公用語を英語にしようとしている楽天の三木谷さんには、
そもそも「会社ムラ」という概念すらないかもしれない。
だが、そういう会社が、果たして日本人のメンタリティに合うかどうか?
日本人中心の従業員で、会社をこれから100年続けようとした時、
やっぱり楽天も会社ムラを作らざるを得なくなるのでは?
俺はサラリーマンの子供で良かったと、心から思う。
「サラリーマンは気楽な稼業と来たもんだ」(by 植木等さん)
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この話題と関係していると思われるもの。
住金と新日鉄の合併により、住金が白水会と距離を置くと言う方針との報道(2012/3/3日経朝刊)。
住友財閥系の企業にとって、
日本にとっての皇族、
トヨタにとっての豊田家に当たるのが、
住友一族なのではないか?
「家(疑似家族)」を維持する場合、「象徴」が必要になるのかもしれない。
平和なときは、案外「象徴」の意味に気付かない気がする。
ところが、大震災など、「家(疑似家族)」の結束が、種の保存のために必要となる時、
「象徴」という存在の重要性が再認識されるのかもしれない。
今の時点では、日本語を主な脳内OS(Operating System)とする日本人は、
家族から離れ、個人中心の考え方に変わる事は事実上不可能。
従って、「象徴」も必要とされ続ける、と考えている。
トヨタが、創業者の血族に回帰した事、
東日本大震災により、皇族の存在意義が見直されている事に注目しながら、
これから、新日鉄住金と白水会との関係がどうなっていくのかについても、
注目したいと思っている。
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