日本語と英語が対応しないパターン、面白いのを見つけた。
権威と権力
新和英大辞典(電子増補版)で調べてみたら
権威 : authority ; power ; prominence ; influence ; distinctionなど。
権力 : power ; authority
つまり、英語の概念としては、基本は両方とも「power」と「authority」のようだ。
しかし、日本人の我々は、この二つの概念を使い分けている。
ポイントは、『威』という漢字と『力』という漢字にあると思う。
思い浮かんだのは、
「虎の威を借るキツネ」ということわざ。
昔読んだ、沼上幹さんの「組織戦略の考え方」という本で、
トラの権力、キツネの権力という言葉があったのを思い出した。参考ブログは以下。
日本で生活していると山ほどそういう人と出会うが、
「友達にこんな凄い奴がいて・・・」
「あの有名人は、俺の母校出身で・・・」
的な、自分の知っている人の事を話す時に、まるで自分の事のように自慢したりする姿を頻繁に見る。
同じようなパターンで、
「有名な大学教授のお墨付きの・・・」
「有名人の~さんも使っている・・・」
「偉い人はみんな知っている・・・」
だいたい、こういうのをCMで強調する商品とか、通信販売系の宣伝は、疑ってかかった方がいい。
こういうのは、まさしく『権威』だ。
じゃ、『権力』はどうなのか。
実際の力、暴力を使うような独裁国家をイメージすると、それは『権力』であって、『権威』ではない。
つまり、国民・市民の立場になった時、実際に『力』の恐怖を感じるようなもの、
上述した沼上さんの本の言葉を借りれば、トラの権力的なものが『権力』。
逆に、国民・市民がそれに価値があると思いこみ、『力』があるかもしれないが、もしかすると『ハッタリ』かもしれないのが、キツネの権力的な、『権威』だと思う。
日本にいると、強い『権力』を持っている人はあまり想像できない。
総理大臣ですら、週刊誌でボロカスに書かれたりするのが当然の国だし。
それは、素晴らしい事なのかもしれない。
日本の歴史を振り返れば、『権力』が暴走した時、どういう悲惨な事になるかは想像できる。
でも、今の我々日本人みんな、『権威』に弱過ぎる気がする。
相手が使おうとしている『権威』が本物なのか、或いはハッタリなのかは、見抜かないといけない。
肌感覚的には、今の日本、ハッタリが相当多い印象を持っている。
競争環境が生まれると、ハッタリは一発でバレるんだけど。
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