2016年11月22日火曜日

(172) 芸能人、有名人と一般人

日本のテレビ報道を見ていて、この前、ふと気付いた。
 
暗黙のルールで、テレビでは、
「芸能人」や「有名人」と、「一般人」を完全に分けている。
 
「芸能人」や「有名人」には、極論するとプライバシーの権利が極めて薄い。
週刊誌などが自宅に押し掛けたり、その家族構成まで暴かれても、
世間は文句を言わない。
「『芸能人』や『有名人』は、自分の名を売って金を稼ぐもんだ」
というのが暗黙のルール化されている。
 
対照的に、芸能人の結婚相手が「一般人」の場合には、
少なくともテレビは、プライバシーに関して非常に気をつけて報道している。
「一般人」の顔写真等は、テレビでは絶対に出ない。
 
いったい、「有名人」「一般人」の間の線引きって、どうやって決まっているんだろうか??、
とふと考えた。
 
例えば、東電の社長さんや、オリンパスの社長さんは、
会社が世間で話題になる前は、多分、「一般人」的だったと思うんだが、
今や間違いなく「有名人」だ。
(気の毒な事に)プライバシーは、事実上、ないに等しいように思える。
 
日経新聞なんかの「亡くなった方の情報」欄には、
上場企業の取締役をされた方の実名が出たりする。
と言う事は、上場企業である程度以上の立場になられた方は、
「一般人」ではなく、「有名人」だと、世間では解釈されていると言う事だと思う。
 
政治家の人達なんかはその典型だが、公的な場だけでなく、Twitterでのつぶやきでも、
「失言」をすると、マスコミやインターネット総動員して、袋叩きに合う。
でも、多分、「一般人」が「失言」をしても、「こういう馬鹿がいる」で聞き流されて終わりだろう。
 
この現象、日本語に特有であり、英訳が不可能な
「公」「私」という概念と、多分、深く結び付いている。
 
173に続く。

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