2016年11月22日火曜日

(166) マルクス主義、学生運動

【(164) 日経朝刊記事(ロバート・クーパー氏)】の続き。
 
マルクス主義
 
日本の学生運動
 
東大紛争
 
東大安田講堂事件
 
マルクス主義と学生運動について
 
うーん、正直、良く解らないんだが、最初は多分、今の団塊世代(60歳~65歳くらい?)の人達が若かったころ、
「ブルジョワジーによるプロレタリアートからの搾取を食い止める」
などの、マルクス主義的な理想に燃えていたんじゃないかと思うんだが、
途中で何をやっているのか、自分達でも訳が解らなくなり、
暴走していって、結局最後は
「過激派にはちょっとついていけないよね」
みたいな感じになって、あさま山荘事件を経て、学生運動自体が廃れて行ったように見える。
 
でも、ロバート・クーパーさんが鋭く指摘されたように、
 
マルクスさんが言う所の、
『近代ブルジョワ的生産関係は最後の敵対的生産関係である。発展する生産力は
敵対を解決する諸条件をつくりだす。それゆえ、資本主義社会をもって人間社会の前史は終わる。』
で言う所の、ブルジョワとプロレタリアート間の(表に出る形での)対立は、
日本では過去のものになりつつあるような気がする。
 
実際には、ブルジョワ層は、鳩山由紀夫元首相に象徴されるように、日本に多数実在しているのだが、
「没落したブルジョワに対しての容赦ない世間の攻撃」
「ブルジョワに対しての嫉妬渦巻く、2チャンネルやスポーツ紙」
「失言したブルジョワに対しての世間を総動員しての攻撃」
などの形で、実質的に、
プロレタリアート側からブルジョワ層に対しての、「妬み」「嫉妬」が解消される方向になっている、
という点で、既にマルクス主義で言う所の、
「資本主義社会と言う人間社会の前史は、日本では既に終わっている」と感じる。
 
そういう意味で、日本が今悩んでいるのは、その次の段階なのかもしれない。
 
例えば、
東京電力という企業への、尋常ならなる国民の怒りや、責任を問う声。
そのとばっちりを多分受けかけている、関西電力や九州電力、中部電力など。
国家公務員(官僚など)・地方公務員への尋常ならざる国民の怒り(天下り、給与、待遇他)、
政治家に対しての無能呼ばわり、政治家をバカにした態度など。
 
むろん、彼ら非難される側にも悪い部分はあるんだろうが、
そこまで非難されるほど、悪い事はやっていないんじゃないだろうか、という気がしないでもない。
 
多分、国民、世論の尋常ならざる怒りの理由は、
「国」や「お上」「独占企業」等に対しての過剰な期待の裏返しだろう
 
水戸黄門や、暴れん坊将軍等の時代劇に象徴されるように、
日本人は潜在的に、「お上の無謬(むびゅう)信仰」が相当強く、
「人の上に立つ者は、お金の欲求なんて持たず、
世のため人のために自己犠牲の精神を持たねばならない」
という欲求が極めて強い。
 
そんなの、資本主義と矛盾している、あり得ない話だと思うんだが・・・
 
いずれにせよ、こういうのを若い世代は敏感に感じ取るので、
「政治家」「公務員」「独占企業」などには、センスが良い、鋭い、頭の切れる人達が
応募するはずがない。
 
日本の政治家がダメな理由の一つは、多分これだと思う。
優秀な人が、政治家として頑張るインセンティブがない。
「あほらしい」、「政治家やめて、また大学教授に戻ろう」と思うのは当然だ。
 
多分、だから政治家や公務員、独占企業などには、優秀な学生が集まりにくいんだろう。
実際、日経ビジネスにも書いてあったが、
飛びぬけた行動力、才能を持っている若者は、もう大企業には行かず、
自分でNPOを立ちあげたり、自分で起業したりしている。
 
「ごく普通の」学生たちほど、「寄らば大樹の陰」と考えて、
大企業や公務員を目指すだろうが、
そういう企業は、もう「ごく普通の」学生は必要としない。
山ほど不良資産化している、「寄らば大樹の陰」型の中高年サラリーマンを抱えて、
これ以上不良資産化する事が目に見えているような人材を採れるはずがない。
 
その状況を、大企業側は、「欲しい学生がいない。きちんと教育しない大学のせいだ」
とか思っているらしいが、
多分、もう、その大企業側が既に「腐った大樹」である事を、
優秀な学生たちには見抜かれているんじゃないかと思う。
 
しかも、「ごく普通の」学生を装って入社している若い人達も、本音では、多分、
「上の世代の人達のような、社畜にはなりたくない」
「だからと言って、上の世代の人に大勢いるような、フリーターやニートでは、結婚もできない」
「だから、消去法で、とりあえず日本の企業で働いている」
という感じだろうから、
 
長い目で見れば、日本企業の「社畜さん」は絶滅していかざるを得ないだろう。
無数にいるであろう、「社畜さん」達の断末魔は、多分相当悲しく、痛々しいものに見えると思う。
多分、今の俺達、アラフォー世代、就職氷河期世代の退職時期当たり(今から約20年後?)には、
「社畜さんが絶滅していく」
というSPA!の特集が組まれていると予想する。
 
「俺達がサービス残業しないと会社が潰れるんだよ!!」
「俺達はサラリーマンとしての仕事に命かけてんだよ!!」
「会社ってのは、第二の家族なんだよ!!」
 
・・・これら、いずれに対しても、
「で?」という一言で、多分、鋭い若者達に返されてしまうんじゃないだろうか。
俺はそういう社畜さんにだけはなりたくない。
くわばら、くわばら。

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