2016年11月22日火曜日

(165) 日経ビジネス(4月2日号)

【(139) 週刊東洋経済 Fecebook】の続き。
 
今朝、タイトルが面白そうだと言う誘惑に負けて、
日経ビジネスを買って、行きの電車で読んでしまった。
 
やはり、横書きは読みにくい。
ブログや、インターネットでの横書きはやむを得ないとしても、
650円払って買ったのに、本が横書きになっていると、実に腹が立つ。
体感値としては、縦書きの普通のビジネス誌や新聞と比べると、
横書きの日経ビジネスの内容は、脳の中に入って来る効率が50%未満のスピード。
 
「News Week日本語版」すら縦書き、右開きなのに、
何故「日経ビジネス」が横書き、左開きなのか、意味不明だ。
 
でも、俺なりの仮説は、
多分、日経ビジネスは、
「グローバル化度が他のビジネス誌よりも高い。また、全般的に楽観的で前向き。
だから、グローバルスタンダードの横書き」という体裁を取っているんだろうと思う。
 
しかし、これはおかしい。
読み手は日本人しかいないんだから、「横書き」である事のメリットを、
金を払う読者側で享受できる人がほとんどいないはずだ。
だから、少しでも早く、「縦書き、右開き」に変えた方が良いと思う。
 
ちなみに、俺が勝手に、ビジネス誌の位置づけ、イメージを書くと、
「日経ビジネス」 : グローバルに一番見れている。楽観的、前向き。でも横書きは致命的。
「ダイヤモンド」 : 常識があり、若い人に対しての理解力もある、「カッコいいオジサン」が読者層。
「プレジデント」 : お金持ちの人達(社長や専務など)、年収1,000万円以上のエリート層がよく読む。
「東洋経済」 : 前に書いたとおり、「既得権のオッサン臭」を感じる。
********************************************************
さて、以下、今日の日経ビジネスの内容について感じた事。
 
特集 「平成生まれの衝撃、もうゆとりとは呼ばせない」
良く書かれていると思う。
ごく少数の、20代前半の傑物達はこれから世界で活躍すると思う。
(上位30位のランキングで、あえてサッカーの香川選手や、
ゴルフの石川遼選手のような有名人をランキングの一番下の方にしていたのが、
わざとらしくて好きだ)
 
一方で、「でも、大多数は安全志向」と手のひらを返したように演出するのも、見事だと思う。
 
横書きで読みにくかったが、650円払った価値はここまでであった。
*********************************************************
ついでに読んで、愕然としたのが、エルピーダ社長の坂本さんの敗戦の弁(挫折の軌跡)の記事。
 
驚愕だったのは、「円高に負けた」と信じ込んでおられる一方で、
エルピーダの技術に自信を持たれている事。
世界に名だたる企業のトップが、本当にこのように信じ込んでおられるなら、
今の日本人の経営者の人達に大きな会社の経営が任されたままだと、
本当に俺達若い世代は「働き損」「奴隷」としてこき使われ続けるんじゃないかと、
シャレにならない程の危機感を持った。
 
坂本さんの言葉を見て、何より聞きたいのは、
「何故会社が潰れるまで、値上げを決断しなかったんですか?」
という質問。
 
文章を読んだ限りでは、どうやら、
「エルピーダの製品を買って下さるお客さんは、その価値を認めてくださっている」とあり、
多分、その通りだと思うのだが、
それなら、何故、会社が潰れるような状況になる前に、
お客さんに値上げのお願いをしなかったんだろう??
 
円高を倒産の理由にしているが、もしかすると、
これはとんでもない事を国策会社のトップがおっしゃっていると思う。
 
為替は、政治が決めている訳じゃない。
国際競争力をバランスさせるよう、勝手に為替は決まるもんだと思う。
 
「円高」という事は、本来、海外側から見れば、
「高い値段でも日本製を買わざるを得ない」という状況だから、
日本製品は円建てで固定、外貨建てで値上がりするはずだ。
だから、日本の会社の競争力が落ち、実際に海外メーカーのシェアが上昇し、
その過程で、為替は逆方向(円安方向)に動く圧力を受けるという形となる。
 
今、足もとで若干円安に動いているのは、家電、電子部品業界等が惨憺たる状態で、
エルピーダのような会社が潰れた事も一因だと思うが、
普通、そこまでの状態に行く前に「企業の値上げ」があって、「日本企業のシェアが落ちる」という
ステップがあると思う。
どうも、この「ステップ」がなく、突然、企業が潰れてしまっている気がしてならない。
 
エルピーダのような国策会社は、本来なら、堂々と
「円高なので、ドル建ての価格は値上げします。嫌なら買わないでください」と言うべきだし、
それが言えないはずはないと思う。
でも、結果として、値上げのアクションが取れず、会社が潰れる所まで行ってしまい、しかも、
それでも坂本社長は、「円高」に責任転嫁しているご様子だ。
 
東電が値上げを消費者にお願いしようとして、
そのやり方を間違えているとの世論側の評価で、
グジュグジュになっている。
 
しかし、その一方で、
消費者に対して、「値上げの理由」をここまで厳しく説明する事が当然と言う国は、
多分、世界中探しても日本だけだ。つまり、
日本は「お客様は神様です」教の信仰が、シャレにならないくらい、根強い。
 
これは相当深刻だと思う。
値上げできない
⇒ 物価が上がらない
⇒ 賃金が上がらない 
⇒ 日本のサービスは国際比較で「安い」「うまい」「早い」が維持される
⇒ 円高が一向に収まらない
という、「お客様は神様です」教による、地獄のループが発生している可能性が高い。
 
・・・坂本社長が書かれていた、
以下の趣旨の記事を読んで「カルト教団」を思い出した。
 
「これからエルピーダの社員は、会社更生法申請という重い事実を受け止める一方で、
必死になって頑張ってくれると思う」
 
こういう事をトップが言う会社は、間違いなく「ブラック企業」のDNAを持っている。
 
正社員は、会社が潰れてまで必死に働き続けなきゃいけないのか?
エルピーダと言う会社は、大元となった母体は、典型的な日本企業(NECと日立製作所)だったと思うが、
そういう会社は、株価が紙くずになり、会社が潰れても、
従業員に対して「社畜」であり続ける事を強要するのか?
 
正直、寒気がした。
坂本社長は、確か、数年前の好調な時期には、有名所の
テレビ番組にも出演していた、「有能な経営者」のはずだ。
 
そういう人が、(おそらく本人無意識に)
終身雇用、年功序列の従業員に対して、「会社が潰れても忠誠を尽くしてほしい」
と思っているとすれば、日本の大手企業に勤めている人の中で、
真面目な人ほど、今現在も、そのカルト教団的な思想に洗脳されているかもしれない。
 
しかも、その洗脳は、たちが悪い事に、
「『安い、うまい、早い』のためなら、自己犠牲当たり前」という考えであり、
上述したように、それが円高の原因の一つになっているとすれば、
 
「日本人は大勢の自殺者、過労死を出し続けて、ある域値を超え」
「もしかして、この大勢の自殺者、過労死って、特攻隊と同じメンタリティじゃない?」
というような気付きが当事者たち自身に生まれるまで、
今の状態は続いてしまうのかもしれない。
 
・・・日経ビジネスにあったが、
「平成生まれの人達は全般的に諦めが早い」という傾向があるらしいが、
その考え方は、日本企業で働くなら、「大正解」なのかもしれない。
 
「お客様は神様です」教は、良い面もある事は理解するが、
それ自身が、もしかすると過労死、自殺者大量発生の重要な要因となっている
可能性もある事を、我々日本人自身、胸に手を当てて考えた方がいいように思う。

0 件のコメント: