2016年11月21日月曜日

(164) 日経朝刊記事(ロバート・クーパー氏)

今朝の日経新聞を読んでいて、「これは凄い」という記事に出会った。
やはり、さすがは日本経済新聞社、グローバルの状況を知り抜き、
海外の凄い人達に取材でき、こういうのを記事にできるのは凄いと思う。
 
日経ビジネスが「横書き」である事と、
i-padアプリで変な売り込みをかけている最近の状況がどうも納得いかないが
やはり、日本の新聞の中では、他の(ムラ社会っぽい)新聞社のはるか先に進んでいる感じがする。
読売巨人軍のお家騒動が世間を騒がしている読売新聞は、
もしかすると一番最初に絶滅するんじゃないかと思っている。
実際、「読売ウィークリー」はかなり前に廃刊になったし、
日テレは、全体的に、テレビ番組の質でフジテレビに圧倒的に負けている感じがするし、
日曜放映番組では「サンデーモーニング」「サンジャポ」「アッコにおまかせ」のTBSにも、
相当負けている感じがする。
 
・・・話が横にそれた。今日の日経朝刊記事の話に戻る。
 
4月2日 日本経済新聞 朝刊 「グローバルオピニオン」
欧州対外活動庁顧問 ロバート・クーパー氏
 
以下、抜粋。
 
- 以前の中国と比べれば、日本人がともに生きる相手として中国はそれほど悪くはない。
 
- 中国がやっている愚かなことにも譲歩しろ、ということではないが、
 日中間の相互理解は最優先の目標でなければならない。
 
- (共産主義を唱えた)カール・マルクスは「宗教は人民のアヘン」といったが、
 中国をみていると実は「資本主義や買い物が人民のアヘン」かもしれないと思う。
 
- 人々が権威主義と自由経済の組み合わせを願っているとは思えない。
 中東・北アフリカでは、自分の人生を自分で決めたいという人間の根本的な願い、
 尊厳が「アラブの春」で示された。中国でも同じことが起き得る、というのが真の教訓だ。
 
- 東日本大震災は私が日本を称賛してきたすべての面を思い出させた。
 一般の日本人の危機への対処方法は世界でも独特なものだ。
 いったん危機が起きると、すべての人々が期待通りに行動した。
 日本社会の力強さは魅力的だ。
 
- マルクスが墓場から戻り「社会が強力であるために国家がなくなった
 共産主義社会を見たい」と思えば、日本に行くだろう、と時々考える。
 
(日経編集委員さんのコメントとして)
- 日本の政治に話が及ぶと「日本が高度な政治エリートを持てなかったのは奇妙だ。
 いっそ女子サッカーの人材を内閣に登用すべきだ」と真顔で語り始めた。
 
- 日本は欧州のパートナーとの思いが強い。
 「もし日本が欧州の一員だったら、日本語はローマ字でもっと簡単だったろう」と笑う。
 
- 長時間労働や過度の悲観論など日本の負の側面を知る欧州の知識人はあえて
 「頑張れ」と言わず、もっと「自信を持て」と言いたかったのだろう。
 
Robert Cooper(ロバート・クーパー氏)
欧州連合(EU)版外務省の顧問。英外交官時代、東京にも勤務。
著書に「国家の崩壊」。私生活のパートナーはピアニストの内田光子さん。
64歳。
 
見識の鋭さ、もう、脱帽としか言いようがない。
 
個人的には。「マルクス」の部分で、目から鱗が落ちた。
 
団塊の世代の人達がまだ大人になる前、
目がキラキラしていたであろう若い頃、
東大の安田講堂を占拠して学生運動をした事、
今ひとつ何がやりたかったのか解らなかったのだが、
多分これだったんだろう、と妙に合点が行った。
 
直感的にだが、学生運動をして社会主義の理想に燃えた人達の中で、
今は何食わぬ顔して日本で生きている人達、相当数いると思うが、
多分、その人達が若いころに勉強したであろう、「マルクス」の考え方が、
かなりの程度、日本人の本音の部分を強化したと思われる。
 
日本と言う国は、
「タテマエ」は資本主義だが、
「ホンネ」は共産主義的。
 
多分、Robert Cooperさんは、その事を鋭く見抜かれている・・・

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