2016年11月21日月曜日

(144) 日本での2大政党制

142, 143のアメリカの2大政党制の背景を知ると、
日本で「2大政党制」にしても、全く機能するはずがない事が明らかだ。
 
そもそも、日本人はアメリカと違って、
表に明確に現れるような、日本人グループ間の
深刻な宗教的・経済的対立が(現時点では)発生していない。
従って、自民党と民主党の間で、政治的な主張をぶつけ合う必要性、テーマがない。
 
かつて、資本主義と社会主義どちらがいいか答えが出ていなかった時代
(団塊世代の方の、学生運動の時代?)には、
多分、自民党と社会党/共産党の間で、主張をぶつけ合う意味があったかもしれないが、
今は、全くない。
多分、今の、社民党と共産党の迷走の根本的な理由はこれだと思う。
 
主張をぶつけ合う必要性がないのに、大勢政治家がいるとどうなるか?
ここ数年間の政治の状態が答えだろうと思う。
 
上げ足とり、責任のなすりつけ合い、自分を応援する政治団体との癒着・・・etc。
日本人が「政治家は民主党も自民党も皆ダメだ」と悟ってしまったのは、
政治家にも責任があるんだろうが、ある意味で、
「日本と言う国は、アメリカと違い、人種間・宗教間対立が少ない恵まれた国」だからこそ
政治家があまり意味のない、不毛な事に時間を費やせてしまっているんじゃないかと思う。
 
恵まれているから、「総論賛成各論反対」的なテーマに、
貴重な時間と金がどんどん浪費されていく。
そしていよいよ国の膨大な借金と、世代間格差の問題が臨界点に達して、
現在の状態に至った。
 
こういう状態だから、橋下さん的な「ハシズム」を国民の多くが求め、
それに対して、「その思想は危険だ。ヒットラーや、独裁者と同じだ」
と不安に思う、学者さんや、香山リカさんのような人が出てきた。
 
テレビで、その人達に、橋下さんが「じゃ、どうするんですか?代案は?」と質問したら、
ブレーキ役の彼らは、「いや、それを考えるのは私達の仕事じゃありません」と逃げ、
世間が、「それならお前ら黙っとれ!!必要なのは何らかの行動じゃ!!」
と一斉に反応した。
当然の反応だろう。今の日本の状態を考えたら。
 
さて、これからどうするのがいいんだろうか。
 
個人的には、橋下さんのやり方しかないと思う。
但し、橋下さんが独裁者にならないよう、何らかの歯止めは必要だろう。
しかし、その歯止めは、心配しなくても、
日本にある、強力な「世間」が役割を担ってくれる気がする。
 
「世間」に支配されている我々日本人は、
イワシの群れと同じで、集団で、一斉に一方向に動く傾向がある。
その方向が間違っていると、皆で心中しかねない。
誤解を恐れずに言えば、第二次大戦に突入し、玉音放送を聴くまでの日本は、
まさにその状態だったと思う。
 
しかし、現在の日本はこれだけ言論の自由が守られており、
むしろ、上げ足を取る人が大勢いすぎるくらいの状態だし、
まさか、今の日本で、言論封殺のような事が起こるとも思えない。
 
ならば、橋下さんのような「空気を読まず、突っ走る」リーダーが、
政治だけでなく、日本のありとあらゆる所に大勢出てきて、
上げ足とりの批評家を跳ね飛ばして行くのが、
これからの日本のためになると思う。
 
衆議院議員や参議院議員については、明らかに今よりも人数が少ない方がいいだろう。
一票の格差とか、いろいろ問題はあるだろうが、現状の半分以下、或いは四分の一で良いと思う。
今は、明らかに、「船頭多くして船が山に登る」状態にある。
 
少数意見を反映させるという大義名分は間違っていないが、
少数意見の言う事を聴き過ぎて、今は政治が機能していない。
その事の方が大問題だろう。
 
「アメリカ等の先進国の真似をして」、2大政党制を取るなんて、ナンセンス極まりない。
日本と言う国は、そんな制度取らなくてもいいくらい、
宗教対立の問題も、人種差別の問題もアメリカに比べて圧倒的に小さいんだから、
大勢の政治家を有する事自体が、「もったいない」し、「不効率」だと思う。

0 件のコメント: