マズローの欲求段階説(自己実現理論)
低次からの欲求から順に、
1.生理的欲求
2.安全の欲求
3.所属と愛の欲求
4.承認の欲求
5.自己実現の欲求
この欲求段階説、結構誤解されている気がしてしょうがない。
上記Wikipediaの説明でも、あたかも、
「現代人は1~4までの欠乏欲求は満たされている人が多い」
「5の自己実現欲求が重要」
と読めてしまうが、多分これはとんでもない誤解だろう。
東日本大震災から1年たった今も、
週刊誌では、「首都圏でM7の地震が起こるのは間違いない」
という記事ばかりである。
と言う事は、今現在の、多くの日本人の実体は、
上記で言う「2.安全の欲求」すら、十分に満たされていない段階だ。
この状態で、4や5の段階の欲求の話をするのはピントがとんでもなく、ずれている。
「絆」という言葉が今現在も最重要視されているという事は、
今現在日本人が一番飢えているのは、
「3.所属と愛の欲求」だ。
世代間格差の問題も、家族間格差の問題も、
突き詰めれば、いかにこの
「3.所属と愛の欲求」を、日本人、できれば漏れなく、一人残らず全員に、
感じてもらえるような理想的な状態に近づける事ができるか、という
命題と同じ事だと思う。
国民が幸せに生きるために、「社会政策上」、或いは、「政治」などが考えるのは、3まで。
自分の勤務時間中は、余計なこと考えず、それに集中するのが、政治家の仕事だ。
4以降の欲求の話をする余裕がある政治家は、
多分、給与に見合うだけの仕事を、十分していない。
他方、我々現代の日本人一人ひとりが多分じっくりと、考えなきゃいけないのは、
「個人の自由」という言葉にだまされたり、
「気楽さ」「今の快感」などの薄っぺらい快楽に溺れてしまい、
実は、本当の自分の心が最優先に求めているのに、自分自身が気付いていない、
「3.所属と愛の欲求」を忘れていないか、という事だと思う。
こんなに身の回りにモノがあふれ、物質的には豊かなのに、
自殺者が年間3万人もいて、日本に閉塞感が漂っている理由の一つは、
多分、我々日本人が、「わざわざ」不幸になろうとしているためだ。
テーラワーダ仏教の長老、スマナサーラさんが著作で、こんな事を書かれていたと記憶している。
(質問)「どうしたら幸せになれますか?」
(スマナサーラ長老の回答)「幸せになればいいんです」
多分、これは禅問答ではなく、「真理」だと思う。
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