今日発売の、Newsweek「好調サムスンの落とし穴」が非常に面白い。
サムスンは、韓国のGDPの約20%を占めているらしい。
【(72)同族経営】にも関連している話だ。
同じ儒教国で人口が約5,000万人の韓国。
世界的にみると、おそらく、日本人に一番国民性が似ているのは韓国の人だろう。
その韓国は、サムスン、Hyundai、LG、ロッテ、などなど、
他国に対して、隠し事をせず、まっ正直に、財閥による経営(ファミリービジネス)を貫いている。
この辺のまっ正直さが、いかにも、男子サッカーチームの「熱い韓国チーム、応援団」と重なって見える。
そして、いずれの財閥企業とも、日本人からみれば羨ましく見えるほど、
成功している・・・ように今は見える。
それに対して、我が国日本では「本音と建前」を上手に使い分け、
建前では上場企業という体裁を見せつつ、
本音では、相当数の企業の実態はファミリービジネス、同族経営、世襲制を維持している。
あの、トヨタが、創業者系のオーナーに回帰した事が象徴的だ。
どっかの製紙会社のように、跡継ぎがカジノやら女遊びに散財してしまい、
目も当てられない状態になっている例もある。
この、日本人の「本音と建前の使い分け」により、
一部の欧米人は、「建前」に見事に欺かれて、
「日本は、韓国に比べるとグローバル化していて、
世襲や、同族経営の度合いは薄まっている」
と捉えられているが、私の肌感覚では、実態は疑問符がつく。
実際、日本に長く住む外国人は、どこかで、「ガラスの天井」的な、
日本人の本音(儒教的な、家族主義)にぶつかり、
我々日本人に対して、腹の底から信頼できない、という感情を持つ人も多いはずだ。
我々日本人にとって、移民受け入れの、本当の難しさは、私はこの「ガラスの天井」だと思っている。
さて、話を戻して、
Newsweekの上記記事を読んで感じた事。
Samsungは今は絶好調のようだが、
これから5年~10年後、ガタガタと崩壊するリスクを感じる。
特に経営者の世襲が行われる時が危ない予感がする。
家族経営の弱点である、「Samsung」という疑似家族の利益を最大化し過ぎる事で、
「韓国国民(庶民)」の反感を買っている事は、致命的かもしれない。
一方で、Hyundaiは、トヨタやホンダだけでなく、日本にとって本当に脅威かもしれない。
「モジュール化方式」とやらを自動車生産方式に導入していると言うのを見て、
直感的に、「テレビや携帯、太陽電池の業界で起こった事が、自動車でも起こるかも」
と感じた。
日本のモノづくりの根幹、国際競争力の源泉と言ってもいいと思われる、
「すり合わせ」が、部品のモジュール化によって陳腐化されてしまうという現象が、
テレビ、携帯、太陽電池だけでなく、
車の業界でも起こるのであれば、トヨタは本当にHyundaiに負けるかもしれない。
カルロス・ゴーンさんのいる日産は大丈夫だろうが、
トヨタがHyundaiに負ける事が本当に起これば、
日本は本当に「モノづくり」の次の食い扶持を探さないと、飯が食えなくなるかもしれない。
ライバルのエラーを期待するのもイヤらしい話だが、Hyundaiでも、
Samsungのような世代交代時の問題が出て来る事を、ちょっと願ってしまう。
男子サッカーがそれを象徴しているが、
韓国は、おそらく、日本にとって、
「良きライバル」だ。
「愛憎」という言葉があるが、お互いに精神的に近いものがあるからこそ、
つい「憎しみ」の感情が出る事もある。
【(64) 自己責任か、誘因を作った側の責任か?】
なんかは、その典型的なケースだと思う。
現時点での日本と韓国を比較すると、
日本の人口 : 約1億2千万人
韓国の人口 : 約5,000万人
一人当たりGDP
日本>韓国
失業率
日本<韓国 (数値上、日本の方が良い状態になっている)
少子化、格差問題
韓国の方が、日本よりもさらに深刻??
英語力の平均
日本<韓国
(多分、韓国は、教育にかける時間で、漢字を覚えるのを犠牲にして、
表音文字のハングル語に特化し、グローバル言語である英語への教育時間を増やした)
ハーバード等、欧米のビジネススクール、武者修行にMBAを取りに行く人の人数
日本<<韓国
(若者の中で、将来グローバル人材となるトップクラスの優秀な人の中で「もまれる」人数、
ハングリー精神旺盛な人の数では、多分、圧倒的に負けている)
漢字仮名交じり文の理解力・発信力
日本>>>韓国
⇒個人的には、日本の戦略の方が、中長期的には正解だと思う。
(教育で、漢字仮名交じり文を覚える時間を引き続き多く取り、
英語学習も最大の効率化を目指すが、
日本人の脳内基本OSは、「漢字仮名交じり文」となるよう、
詰め込み式の教育を継続するという戦略)
こう見ると、ガラパゴス化している日本、
痛みを理解しつつ、グローバル化を推進している韓国、
という絵が浮かんでくる。
だが、通貨危機を経て、グローバル化に突き進み続ける韓国の最大の問題は、
「Samsungという疑似家族はグローバルでたくましく生き残る事ができても、
韓国と言う国が、アイデンティティを保てるのか?」という事じゃないかと思う。
それに対して、我が国日本、
ここまで来たら、とことん、ガラパゴス化しちゃえばいいかもしれないと思う。
何せ、日本で一番頭のいい大学、東京大学が、自ら、秋入学への移行を提案しているのである。
護送船団方式、若者の過保護も、ここまで来ると、ある意味すがすがしいものを感じる。
日本人全員で「集団で行動するイワシの魚群」状態になるためにも、
この際、リーダーである東京大学に乗っからせてもらい、
「春入学から秋入学に変更する」という変化を、日本人の世間を利用して、
「既定路線化」してしまえばいいのになあ、と思う。
イワシの魚群の進む方向、「秋入学」というのは、
間違っていないと思う。
間違っていない方向に進む時、「イワシの魚群」は最強だ。
多分、世界中、どの国も太刀打ちする事ができない、超強力なパワーを発揮できると思う。
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