2018年1月27日土曜日

(475) コインチェック社と3億円事件

昨日、Coincheck社から約580億円相当の仮想通貨がハッキングによって不正流出するという事件が起こり、27歳の社長が謝罪会見を行った。

ふと、『3億円事件』というのが頭に浮かんだ。

1968年(昭和43年)に発生し、私が生まれた1975年(昭和50年)に公訴時効が成立し、未解決事件となった窃盗事件。

Wikipedia 3億円事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%84%84%E5%86%86%E4%BA%8B%E4%BB%B6

私たちオッサンの世代でも、フィクション、ノンフィクションのドラマや、小説等を通してしか知らないが、『3億円を盗んだのは誰なのか?』というのがその当時の世間の興味だったのではないかと思う。

時代も違うし、貨幣価値も違うが、今回のハッキングによる被害額は「580億円」。

今日の時点では、『誰が盗んだのか』よりも、なぜ『盗まれるような甘いセキュリティだったのか?』に世間の注目が集まっているようだし、当面の間は盗まれた側、損を被った人達に対して、メディアの注目が集まりそうだ。

アトム経済を象徴する紙幣(日本円)に対して、
ビット経済を象徴する仮想通貨。

グローバル化し、国境を越え、(長期的には)取り扱いコストが低いであろう仮想通貨のハンドリングの難しさを再認識させられるような今回の事件。

おそらく、3億円事件の時は、「急に羽振りが良くなったり、金持ちになった奴はいないか?」という世間の嫉妬心が渦巻いただろう。

一方、今回は580億円を盗んだのはおそらく日本国外のハッカー(集団?)だろうから、そういう日本人の世間の目は届かない。世間の嫉妬心は、今の所これまで仮想通貨で儲けた日本人の仮想通貨投資家に向かっているように見える。

もしも世間の目が日本人の枠を超えて世界に通用するのであれば、580億円を盗んだ犯罪者集団の捜索に向かうはずだが、そういうのは残念ながら日本国外では全く通用しないんだろうか??

ある意味、多くの日本人が貯めた富(580億円)が海外の犯罪者集団に盗まれてしまった事件のように見えなくもない。だが、580億円は仮想通貨が値上がりするまでの元のお金はそこまで大きくなかったはずで、じゃ、その580億円の損失は誰が被るべきなのか??などと考え出すと、訳が分からなくなってくる。

いずれにせよ、後世の人達に「3億円事件」と同じような印象を残す、「コインチェック社580億円事件」になるのではないか、そう感じる。

0 件のコメント: