(422)日本の少子化とナッシュ均衡

映画ビューティフルマインドを見て、「まさにこの状態だ」と思ったので、覚書として。

日本の少子化が止まらない原因には諸説あり、対策がなかなか難しい状態にあるが、日本人の多くの人が、出生率を2.0に近づけていかないと少子高齢化で日本の将来が大変なことになってしまう、これに異論を唱える人はそれほど多くないと思う。

私個人の考えとしては、少子化の一因は世代間の格差、そしてマクロの世代間格差がなかなか解消されない最大の原因は、明治時代以降、海外とは違って日本では「家族(一族)」が社会的な最小構成単位として設計されており、家族(一族)内での富の移管は起こりやすいが、異なる家族(一族)同士は、互いに競争、牽制し合う仕組みだからだと考えている。

その結果として、家族のセーフティネットから外れてしまった人や、経済的にゆとりのない家族で子孫が作れない、あるいは、子供が生まれても親が経済的、心理的に追い込まれるケースが発生してしまうから虐待などの悲惨な状況が発生し、一部が顕在化、ニュースになり、それを見て、また経済的にゆとりがない若い人が結婚できない、子供を作らない(作れない)。今の日本はこういう状態がずっと続いており、今のところ改善する兆しもない。そう認識している。

この状態は「ナッシュ均衡」の状態そのものであり、この均衡を一刻も早く崩さないと、我々の子供や孫の世代にとてつもない負の遺産を残してしまう事になりかねない。

課題は、じゃ、どうやってナッシュ均衡を崩すか。

今年から相続税の課税最低限度額が引き下げられ、政治はアクションを全く取ってないわけではないんだろうが、これじゃスピードが遅すぎる気がする。

はて、なんかいい方法がないもんか。

ナッシュ均衡の事例は過去たくさんあるはずなので、それを打破した例を探しまくれば、どこかにヒントがあるかもしれない。