2016年11月30日水曜日

(390)知識デフレの本質

ほぼ私が勝手に作った造語だが、知識デフレ(知識の経済的価値の低下)について。
 
*ネット検索してみたら、私よりも前の2010年に「いのちのパン研究所」というサイトで、『知識のデフレ』という言葉を使っておられるので、最初に言い出したのは私ではありませんので悪しからず。
 
「知識デフレ」でググると、OK Waveで私が出した質問や、その後知恵袋で出した質問がヒットしている。
 
質問しておいて何だが、さっき寝て起きたら、自分なりに答え(仮説)が出た。
 
結論から先に書くと、あくまで私の仮説だが、
日本の知識デフレの本質は、日本国内の世代間格差を是正する自然現象だと考える。
 
以下、知恵袋の質問をまずはコピー。
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(質問)
日本で、知識や情報がデフレ化(金銭的価値が低下)し続けてしまっていると思うんですが、どうにもならないんでしょうかね?
1カ月ほど知恵袋を休んで、OK Waveの方に質問・回答してました。

本日2014/7/2現在だと、「知識 デフレ」でGoogle検索していただくと、私が出した質問が首位表示されてますが、あちらでは回答が止まってしまいましたので一旦打ち切って、こっちで改めて質問させていただきます。

以下、そのURLです。
http://okwave.jp/qa/q8634444.html

ご意見いただければ幸いです。よろしくお願いします。
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概ねOK Waveの回答へのお礼欄に私の考えている事の解説的な意味で記入したが、
知恵袋の方には、書ききれなかったことを書いた。
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(知恵袋回答補足1)
無料化の進展速度は英語圏も同様なのかもしれませんが、日本語圏の場合、一度無料化された後の無料情報・知識の再利用の効率が極めて高いように思います。(表意文字なので、後から見る大勢の人が理解しやすいから)

むしろ再利用の効率が良すぎるから、日本語圏では、これだけ価値ある情報が、ネット検索で無料で手に入る状態になってしまったのでは。

新しい価値ある情報を見つける事の難易度は上がり、同時に、金銭的価値がある未知情報の絶対量が減少。その結果として、日本で知識労働の金銭的価値が下がり続けているのでは?

ここ10年~20年くらいで問題が大きくなり続けたポスドク問題が、この時代の流れ(IT化の進展に伴う知識のデフレ化)を象徴しているように思います。

確かに日本だけの現象ではないのかもしれませんが、漢字かな混じり文という、読み書き/タイピングに特化した特殊な言語を使っている日本語圏は、やはりこの現象が顕著のように思います。
 
(知恵袋回答補足2)
ビット経済は確かに数年前buzzwordになってましたよね。でもビットコインのマウントゴックスは破たんしました。

日本でも起こった.comバブルと同様、ビット(bit ; 情報伝達の最小単位、ビット信号)という言葉のカッコよさだけで皆が煽られる時代は過ぎ去った一方、ITの進化によっていつの間にか、大きく変わったものがあるように思います。

個人的には、『揺り戻し』みたいな現象が起こっているような気がしています。

牛丼屋でバイトが足りないとか、建設業で人が足りないとか、ユニクロやワタミがブラック企業の汚名を返上しようと努力しているとか、こういうのって全部、知識労働の金銭的価値が低下している一方、肉体労働・マニュアル労働、3K労働みたいなものの金銭的価値が相対的に上昇している、そういう現象のような気がしています。

IT化によって、マニュアル化して人件費を下げてコスト削減した時代が続いていたのが、逆回転し始めたようにも思います。
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実は3K労働(きつい、危険、汚い)の中で、まだニュース等で労働力不足が話題になっていない仕事で、一番重要な分野が抜けている。
 
介護労働だ。
 
牛丼屋、建設業、ユニクロやワタミと来て、介護労働が人不足にならないはずがない。
 
これまで、若者の数が多く、介護労働賃金は安いままだったが、人口オーナスにより、これから介護労働は人不足になるだろう。IT化では、介護の人不足は補えないと思う。チェーン店化や自動化によって人は減らせても、老いていく人間側のニーズは人それぞれ。ロボット化等で介護の負担を減らす事ぐらいしかないんじゃないだろうか。
 
知識で得しているのは誰か??
長い間生きた人達、つまり年配の人達だ。
知識がデフレ化している事によって損しているのは、ポスドクの人達や、若い知的労働者だけではない。
過去積み上げた知識の金銭的価値が低下してしまえば、老人は社会的存在意義が減っていってしまう。
 
今は世代間格差が世間で話題になっている通り、老人が金を持っているが、いずれ、若者にしかできない仕事(介護を筆頭に、若い肉体がどうしても必要な仕事)の価値が上がり続け、その金を使って若い人に助けてもらわざるを得ない、そういう時代が来るんじゃないだろうか。
 
そうなって初めて、家族間格差(私が考える、日本の世代間格差の本質)が顕在化するのかも。
 
何のことはない、体を使って汗水流して働く事の大切さを軽んじ、3K(きつい、危険、汚い)などと、肉体労働を知識労働よりも下に見る風潮が長い間続いた事、それに対して、人間(動物?)の本来の姿に戻す方向への、自然現象が起こり始めている・・・
 
私は、夢で、そう思った。
備忘録のため、このブログに書き記す。

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