2016年11月30日水曜日

(367) 夫婦と凧あげ

最近、ずっとネタ切れで、新しい記事を書いていなかったが、久しぶりに思いついたことを書きたくなった。
 
多分、もう既に日本人の先人の誰かがたとえているとは思うが、夫婦関係と(日本人にとって、お正月の風物詩である)凧あげが似ている事にふと気づいた。
 
飛んでいる凧の方が夫、
地上で凧揚げするのが妻
 
こう考えると、結構その類似性が面白い。
 
結婚11年目で、男の子が二人いるアラフォーの私、結婚してからそれなりにいろいろあったが、まあ、仲が良い夫婦だと思っている。それなりに夫婦喧嘩もあったけど、「凧」である私としては、満足度は結構高い。
 
なぜ満足度が高いのか。独身の時には、糸がついていなかった。それはそれで10代、20代の頃は楽しい面もあったけど、だんだん寂しくなってきた。結婚願望が一番強かったのは20代の後半。やっぱり、帰る家庭があって、守る家族が欲しいなと、強烈に思った時期があって、大手結婚サービス(ツXXイ)に登録し、そこで知り合った奥さんと1年ちょっと付き合ってから結婚した。
 
それからはずっと糸がついているが、しんどい時には糸をたぐって地上に戻って、元気になったら空に飛んでいく、みたいな感覚は、心地いい。時々、糸が短か過ぎる気がして奥さんに文句言うと夫婦喧嘩みたいになったりする事もあるけど、基本的には、奥さんは我が妻ながら、糸を伸ばす時と、引っ張るバランスが上手いと思う。3つ年上の姉さん女房だからかもしれない。
 
一方で、私は男性なので、女性の気持ちはよく解らないが、多分、凧揚げする側って、ある程度凧が風に乗って、どんどん上に上がってくれる事に期待していると思う。お正月とかに凧揚げする時、無風だと、必死に走り続けて凧をある程度の高さまで上げる必要があるが、上空も無風だと、凧は落ちてくる。それだと、凧揚げはつまらないので、もっと風が強く吹いてくれる日を待って、仕切り直ししたりする。
 
だからと言って、あまりにも風が強くて、風に凧が引っ張られ過ぎる場合、軍手をしないと凧糸で手を切ってしまったりする。風が強すぎるのも困ったもんなので、ちょうどいい風が吹いていて、ちょうどいい具合に上がってくれる凧がありがたい。
 
世の中にはいろいろ事情があって離婚してしまう夫婦もいるだろうが、多分、大きく分けて2パターンあるんじゃないだろうか。
 
①糸の引きが強すぎて、糸が切れてしまうケース
②凧が風に乗らずに上がらないケース
 
①のケースなら、男性の方が元気すぎる、あるいは女性の方が繊細で、糸が弱いイメージ。
②のケースなら、男性の方のエネルギー切れ、あるいは女性の方が糸を短くし続けてしまい、飛べなくなってしまったイメージ。
 
多分、離婚の一番の原因は浮気だろうが、多くの場合、結婚する時点では男女双方が好きだったんだろうから、浮気はこの①、②の不満がどちらか、或いは両方にあって、その不満をうまく処理できない結果として発生してしまう事が多いんじゃないかと思う。(生物学的に、男は子孫をたくさん残したがる生き物だ、という説もあるだろうが)
 
夫婦関係が良好である状態は、凧が安定して飛んでいて、凧揚げする人が適度な糸のテンションを感じながら、周囲の人皆が笑顔で凧揚げを見守っているイメージ。周囲の人には、親戚や友人、上司や同僚が含まれる。結婚式には、晴れ舞台に、今後も末永く自分達を見守ってもらいたい、そういう人達をイメージして人選して、招待状を送ると思う。
 
もう今年も年末だ。
 
毎年の行事として、我が家では、私が生まれた時からほぼ毎年、年末年始には静岡の田舎に帰省し、お正月に初日の出を見た後、凧揚げをし続けている。死んだじいちゃんが約30年前に始めた行事だが、さすがに毎年やってるので、凧揚げも皆上手になった。使うのは市販のゲイラカイトなんだが、糸の長さが足りないので、追加の凧糸を買って、糸を付け足して長くして、海がすぐ目の前という絶好のロケーションを利用して、家の前の堤防の上で凧を限界の高さまで揚げる。これは、男達が中心になってやっている。70過ぎのおやじ、アラフォーの私が見本を示し、小学校低学年と幼稚園の息子たちは見習い中。その姿を、私の妻が写真を取りながら見ている、という、お正月をこれからも続けたいと思っている。
 
確か、一昨年はすごく風がいい感じだったので、繋いで伸ばした凧糸の長さ限界までゲイラカイトが上がった。あまりにも高く上がり過ぎたので、凧が『点』にしか見えなくて、凧を揚げているのか、糸を上げているのか、解らなくなったくらいだった。さすがにそこまで上がってしまうと、「凧揚げ」というよりも、「糸引き」みたいな状態になってしまい、実際、上がった糸を巻き取る作業で腱鞘炎になりそうな程だった。
 
多分、夫婦関係も、いくら懐が広い奥さんだって、あんまり夫が遥か高くを長く飛び続けると不満がたまるんだろう。でも、凧である私としては、どこまでもどこまでも糸は長くしてもらって、広い空を飛びまわっているように思わせてもらいたいもんだ。
 
ちょっとだけロマンチック(?)な事を言わせてもらうと、その凧の糸こそが、「小指同士をつなぐ赤い糸」なのかもしれない。
 
最近ちょっとだけ不安なのは、その赤い糸は、私の小指ではなくて、実は、私の首の周囲にガッシリと巻きついているんじゃないか?という事だけど。

0 件のコメント: