2016年11月22日火曜日

(191) 勤労の義務(国民の三大義務)

2013/2/9加筆
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国民の三大義務の一つ、「勤労の義務」
 
以前にも、とことん突き詰めて考えたら、
「信仰の自由」や「言論の自由」という、憲法に到達する経験をしたが、
今回、またしても意外なところからここに行きついた。
 
とある、論理的思考が非常に鋭くて、多分「英語脳」的な脳構造をされている、凄く優秀な方によると、
欧米式の育児書は、日本的な育児と全然違うアプローチをする本がほとんどらしい。
 
例えば、「ゴミ出し」という家庭での「当たり前の仕事」
 
我が家では、ごく自然に、
「ゴミ出しは当たり前の仕事」
「家族の中の、誰かがやらねばならない」
「基本的には父である私の仕事」
「でも、長男が父である私の姿を見て、自ら進んでゴミ出ししてくれれば、それは素晴らしい親孝行」
「もし長男がゴミ出ししたら、ありがとうと褒める」
 
みたいな形が、私は、子育ての「当たり前」だと思っていた。
多分、サザエさん家も、私と同じような子育てをするはずだ。
 
でも、「英語脳」の場合、どうやらこれが「当たり前」じゃないらしい。
 
その方は、「ゴミ出し」を「苦役」的に捉えられていて、
「子供にモチベーションを持ってもらうにはどういうアプローチが一番いいか?
そのモチベーションを持ってもらう方法論は部下をどう育て、一緒に仕事していくかという事にも繋がる」
 
・・・みたいな事を、常人には及びもつかないような深いレベルにまで考え抜かれておられた。
 
しかし、私の目から見ると、何でそんなに難しく考えるのか、それ自体が不思議で仕方がなかった。
 
と思って、上記Wikipediaを見たら、まさにこの事が書いてあった。
 
社会主義国だけでなく資本主義国の憲法典にも存在する場合がある義務規定である。
しかし社会主義国と資本主義国の規定の意味は違いがある。
資本主義社会では、労働は倫理的性格の活動ではなく、
労働者の生存を維持するためにやむをえなく行われる苦痛に満ちたものである。
 
目からうろこが落ちた。
アメリカ人は、ほぼ間違い無く、労働を「苦役」と捉えている。
 
一方で、現代を生きる日本人は、サザエさんを見るような時には「労働は義務」と当たり前に思いつつも、実際の仕事では、欧米的な思想の流入により、「実は苦役なのかも・・・」とジレンマを感じている状況にある。
 
日本は、やっぱり、多分世界で一番進化した国だ。ガラパゴスではあるんだけれども。
 
「勤労は義務」という社会主義の最重要ポイントを巧みに憲法に落とし込みつつ(ホンネ)、
見た目は資本主義という体裁を保ち(タテマエ)、
社会主義の弱点である、「慢心」「アニマルスピリットがなくなる」という部分を、カバーする仕組みになっている。
 
国も、「ホンネ」と「タテマエ」の2面性を持っている。
日本は社会主義でもあり、資本主義でもある。
(どっちか一つを選べと言われたら、社会主義の方が強い気すらする)
 
労働は「義務」と捉えた方が、犬的な本能は充実感、満足を感じる。
 
犬がもし、
「なんで俺はこの飼い主に飼われる事になってしまったんだろう」
「俺は鎖に繋がれて、飼い主に連れられて近くを散歩する事しかできない」
「俺(犬)が生きている意味はなんなんだろう」
などと哲学を始めてしまったら、多分、その犬は不幸だ。
 
同様に、(例えば)私のサラリーマンとしての仕事って、
「何で私、こんな仕事やってるんだろう・・・」などと悩んだりする事もあるが、
その悩む事自体が、結構無駄な事だよな、と、最近悟りにも似た感覚を持つ事が多い
 
ある意味で、脳がでかくなりすぎて、余計な事も考え過ぎてしまうようになってしまった私達人間は、
「犬」を見習って、「シンプル」に生きる事を心がけた方が良いのかもしれない。
 
実際、日本人は年間3万人以上の自殺者を出しているが、
38年間生きてきて、「自殺した犬」「自殺した猫」が出たという話は、一匹も聞いた事がない。
 
その意味で、「自殺しないためにどうすればいいんでしょうか?」と聞いてみる相手は、
「犬」とか「猫」なんだろう。・・・多分。
 
今のところ、憲法9条の改正論議はあるけれども、
三大義務の一つ、「勤労の義務」について、異議を唱える人の事は聞いた事がない。
 
・・・という事は、当面の間、「勤労は国民の義務である」という考えは、
日本人の中では揺るぎないまま、ずっと続くと思われる。
 
だとすると、「生活保護を安易に受けようとする人」や、
「(実際はほとんど健常者なのに)障害を持っているフリをする」ような人達に対して、
今後も「世間」は、過剰とも思えるような勢いで攻撃を続けるだろう。
 
国の借金が膨大になり、余裕がなくなればなくなるほど、多分その攻撃性は強くなる。
 
・・・これはマジで怖い。
 
こんなブログ書いて遊んでばかりいて、私自身がリストラされてしまわないよう、
真面目に、今の会社でサラリーマンとして頑張らなければ。

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