2016年11月22日火曜日

(168) jealousyとenvy - その2

167で述べた、jealousyとenvyという感情の件。
 
今朝のニュースで、
「アメリカのとある田舎町で、高額の宝くじの当選が起こり、
誰が当たったのか話題になっている」
というニュースがあった。
 
日本とアメリカの「宝くじ当選者」の世間の扱い、及び、
当選者本人の行動の傾向の違いを観察すると、
極めて興味深い。
 
日本の場合、高額当選者は間違いなく匿名を希望する
世間からの嫉妬(jealousy)が怖いからだ
多分、当選者の個人情報が漏れれば、
「寄付を求めて来る慈善団体」
「お金を運用して、もっと増やしませんか?と声をかけて来る人達」
などが大勢押し寄せて来るだろう。
実際、高額当選した後、「金は魔物」という面がある事から、
人生を崩壊させてしまう人も大勢いると風の噂では聞いており、
良く知らないが、当選金の引き渡しの時には、銀行側からアドバイスをもらえるそうだ。
 
一方で、アメリカの場合は、
高額当選者の幸せを皆で喜び、当選者本人も、
自分の名前が世に出る事を受け入れる傾向がある。
アメリカのドラマ「LOST」の、主役級の登場人物の一人、「ハーリー」
の姿を見て、私は、この日本とアメリカの極端な違いに気付いた。
おそらく、アメリカの国民性は、
こういう宝くじの当選時、「jealousy」ではなく、「envy」を皆抱くもんだと考えるんだろう
「アメリカンドリーム」という哲学は、こういう、幸運な人が実在する事を確認し続けないと、
維持できない。だから、多分、
「幸運な宝くじ当選者は、幸せになるべきだ、皆はそれを祝福し、当選者は祝福されるべきだ」
という考え方で動いているんだと思う。
 
「LOST」のハーリーが、宝くじの当選後に不幸に見舞われるのは、
日本では「ドラマにならない」
⇒リアル過ぎて、それじゃ、「夢を買う」という宝くじの存在意義が失われる。
アメリカでは「ドラマになる」
⇒実際の世界では、宝くじ当選者は幸せになるんだが、
そうじゃないかもしれない、というメッセージ性が出る
 
宝くじ当選者に対して、何故、
日本人は「jealousy」を抱き、
アメリカ人は「envy」を抱くのか?
 
俺なりの答えは、
日本人は、日本人同士、「皆兄弟」「家族の一員」と考えており、
アメリカ人は、アメリカ人同士、「個人を尊重した、他人」と考えているからだ
 
これって、国民としての宗教、哲学の違い、そのものだと思う。

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