167で述べた、jealousyとenvyという感情の件。
今朝のニュースで、
「アメリカのとある田舎町で、高額の宝くじの当選が起こり、
誰が当たったのか話題になっている」
というニュースがあった。
日本とアメリカの「宝くじ当選者」の世間の扱い、及び、
当選者本人の行動の傾向の違いを観察すると、
極めて興味深い。
日本の場合、高額当選者は間違いなく匿名を希望する。
世間からの嫉妬(jealousy)が怖いからだ。
多分、当選者の個人情報が漏れれば、
「寄付を求めて来る慈善団体」
「お金を運用して、もっと増やしませんか?と声をかけて来る人達」
などが大勢押し寄せて来るだろう。
実際、高額当選した後、「金は魔物」という面がある事から、
人生を崩壊させてしまう人も大勢いると風の噂では聞いており、
良く知らないが、当選金の引き渡しの時には、銀行側からアドバイスをもらえるそうだ。
一方で、アメリカの場合は、
高額当選者の幸せを皆で喜び、当選者本人も、
自分の名前が世に出る事を受け入れる傾向がある。
アメリカのドラマ「LOST」の、主役級の登場人物の一人、「ハーリー」
の姿を見て、私は、この日本とアメリカの極端な違いに気付いた。
おそらく、アメリカの国民性は、
こういう宝くじの当選時、「jealousy」ではなく、「envy」を皆抱くもんだと考えるんだろう。
「アメリカンドリーム」という哲学は、こういう、幸運な人が実在する事を確認し続けないと、
維持できない。だから、多分、
「幸運な宝くじ当選者は、幸せになるべきだ、皆はそれを祝福し、当選者は祝福されるべきだ」
という考え方で動いているんだと思う。
「LOST」のハーリーが、宝くじの当選後に不幸に見舞われるのは、
日本では「ドラマにならない」
⇒リアル過ぎて、それじゃ、「夢を買う」という宝くじの存在意義が失われる。
アメリカでは「ドラマになる」
⇒実際の世界では、宝くじ当選者は幸せになるんだが、
そうじゃないかもしれない、というメッセージ性が出る
宝くじ当選者に対して、何故、
日本人は「jealousy」を抱き、
アメリカ人は「envy」を抱くのか?
俺なりの答えは、
日本人は、日本人同士、「皆兄弟」「家族の一員」と考えており、
アメリカ人は、アメリカ人同士、「個人を尊重した、他人」と考えているからだ。
これって、国民としての宗教、哲学の違い、そのものだと思う。
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