2016年11月21日月曜日

(148) ライオンキングとジャングル大帝

【(145) キリスト教右派と進化論】の続き。
 
「アジア圏(中国、東南アジア、インド)は「生きとし生けるもの」という広い枠組みで考える傾向があるが、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアは、「ヒトという生き物は、他の動物とは違う」と考えている気がする。」と書いた。
 
これを示す例として、もう一個思い浮かんだ。
 
あまりにも有名すぎるディズニーのミュージカル、
「ライオン・キング」
 
おそらく、キリスト教圏の人が、ゼロからこのシナリオを創造するのは不可能だ。
多分、「ライオンと人間は違う」というプログラムが脳内にインストールされているから、
ライオンを主人公にして、そこから人に感動を与えるようなシナリオをゼロから作る事は極めて難しい。
 
多分、かなりの高確率で、
「ライオン・キング」は「ジャングル大帝」のオマージュだろう。
 
ジャングル大帝
 
上記Wikipediaによると、実際にその騒動があったらしい。
その騒動を収束させる形になった、手塚プロダクションの声明が、シビレル程カッコいい。
「もし手塚治虫がディズニーに影響を与えたというのなら光栄だ」
今日まで知らなかったが、個人的に、この言葉は、
30年後の世界史の教科書に残すべき名言だと思う。
 
多分、この言葉は事実だ。
やはり手塚治虫先生は、偉大だ。
【(110) バカボンのパパなのだ~】もご参照ください。
 
手塚治虫さんが1950年に書かれた「ジャングル大帝」は、
ディズニーに「オマージュ」を抱かせ、創作意欲を引き起こした。
その結晶が「ライオン・キング」
 
ディズニーは、アニメーションだけでなく、
ニューヨーク、ブロードウェイというミュージカルの本場で、
彼らの文化である「ミュージカル」という表現手法で、
アニメーションの「ライオン・キング」をさらに進化させた。
 
そして、そのミュージカル「ライオン・キング」は世界中で感動を呼び、
日本に逆輸入。そこで、「劇団四季」という、
日本人によるトップクラスの劇団により上映され、
今度はそのミュージカルと(もちろんその内容に)
我々「日本人」が感動し、今もロングランを続けている。
 
この過程で、手塚治虫先生とディズニーが双方の力を存分に出し合って、
世界中の全人類に及ぼした文化的影響は計り知れない。
 
おそらく、ディズニーだけでなく、アメリカ人に対して、
「ライオンと人間は、もしかすると似た部分もあるかもしれない」
というキリスト教右派の信仰の根幹を揺るがすようなメッセージを、
おそらく、多くのアメリカ人達本人も無意識で、気付かないような形で、伝え続けている。
 
アメリカ人を長期スパンでイメージすると、共和党的な考え方から民主党的な考え方へ、
共和党の中でも、厳密な右派的な考え方が減り、穏健派が増えて行っていると感じるが、
もしかすると、その原因の一つは、「ジャングル大帝&ライオンキング」にもあるんじゃないか、
とすら思う。
 
おそらく、このミュージカルは、世界各国で上映されているだろうし、
これからもされていくだろうから、ヨーロッパだけでなく、新興国にも影響を与えて行くだろう。
 
そして、我が国日本には、
「盆踊り」しか知らなかったであろう、
リズミカルな、カッコいいダンスが苦手だった日本人国民に対して、
ミュージカルのカッコよさを教えてくれた。
 
ナイナイの岡村さんが、めちゃイケの「オファーシリーズ」で、
多分まだ20代の頃に、劇団四季でライオンキングのダンサーとなり、
その数年後、「オカザイル」として、EXILEとダンスを一緒に踊り、
そして、今の子供達は「EXILE」にあこがれて、
ヒップホップダンスを始めた子も多いらしい。
 
そして、なんと中学校でダンスが必修化される。
ほとんどの子は、ヒップホップダンスを選ぶだろう、という噂だ。
 
こういう現象を見ると、つい、Facebookの理念、
「世界をよりopenに、世界をよりconnectedに」というのは、
本当に正しいかもしれない、とつい熱くなってしまう俺がいる・・・
 
・・・でも、次の投稿で、多分、また2面性を持った、ひねくれた俺に戻ると思う。

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