2016年11月30日水曜日

(402) 知識デフレとデパートの試食

(390)知識デフレの続き。
https://michitenji.blogspot.jp/2016/11/390.html

ネットの世界で『お試し』みたいな仕組みをよく見かける。

マンガ : ためし読み
Amazonの本 : 要約、感想
新聞 : 月当たり10件の記事までは無料、それ以上は有料会員のみ
fc2など: 無料でも見れる動画と有料会員限定の動画
音楽 : 『Let it go(ありのままで)』はYouTubeで無料で動画公開、映画、DVDは有料販売(アナと雪の女王)
スマホのソーシャルゲーム : 無料ダウンロードできるがアイテムやガチャは有料

これらの例は、全てビット経済の力学が働く分野。コピペが可能なので、コンテンツは無料の方向に進み続けてしまう。390の記事や、OK Wave、知恵袋に書いた「知識デフレ」は、今後も進み続けると思う。

一方で、こういう仕組みって、アトム経済(コピペができない実物があったり、人と人との直接コミュニケーションがあるもの)でも似たような仕組みは昔から存在している。

表題に書いたデパートやスーパーの試食を始めとして、
化粧品やシャンプーなどの無料サンプル
携帯電話の1か月間の追加サービス無料お試し期間
大道芸人(「芸を楽しんで下さった方は、帽子の中にチップをお願いします!」)
スポーツクラブの入会後3か月間は割引
などなど。


ネットの世界(ビット経済)とアトム経済との大きな違いは、
無料サービスを停止する時の心理的な抵抗の有無やその面倒さ。

デパートの試食で、『試食だけして絶対に買わない』と心に決めるメンタルが強い人もいるかもしれないが、つい店員さんの笑顔に負けて、買ってしまう、そういう人がある程度の数存在しているから、デパートの試食という仕組みが継続できる。

一方、ネットの世界は、知識デフレが進み続け、そろそろ限界が見えてきているような気がする。

ディズニーのような圧倒的な力を持つ所はさらに強くなる一方で、サラリーマンと同様、中流層の下流化が進み続けているような気がする。

大勢のマンガ家や音楽関係者は食えない仕事に、新聞や雑誌はじり貧、もの書きも厳しいだろう。ソーシャルゲームは、グリー、モバゲーが元気なくなり、Mixi、ガンホー、コロプラもそろそろ怪しくなってきた。その次を夢見るゲームメーカーは多いだろうが、そろそろソーシャルゲームの市場自体が飽和しつつあるように思う。

デパートの試食なら、客の立場の我々は、試食だけでお腹いっぱいになれる、素晴らしい状況なのかもしれないが、食べ物と違ってサービスやネットに出た情報は無制限にコピペできてしまう。果たしてそれでメーカーや店員さんは今後継続的に生活費を稼げるだろうか?

いつか無理が出てきて、最終的には客の我々も痛みを感じる時が来ると思う。

つまり、似たようなものばかりになったり、品ぞろえが悪くなったり、質が下がってくる。仕方がないのかもしれないけど、知識デフレってのは最終的には自分達で自分達の首を絞めているような現象なのかもしれない。

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