2016年11月30日水曜日

(401) 新聞という仕組みとメディアリテラシー

我が家は朝刊だけ紙の日経新聞を取ってるんだが、新聞の配送店は読売新聞も取り扱っているらしく、今朝の朝刊と一緒に『朝日慰安婦報道は何が問題なのか』という約20ページの小冊子が入っていた。

「メディアリテラシーが育っていない日本」という意見をあちこちで見かけるが、個人的には今の普通の日本人の若い世代は、そんな事はないと思う。むしろ、いろんなメディアにもみくちゃにされているから、一つのメディアを信じない人が増えている、その結果として、さらに多数のメディアに情報収集源が拡散し続けている、そんな気がする。

朝日への攻撃に夢中になっているように見える、読売や産経、週刊新潮や週刊文春、スポーツ紙など、新聞や雑誌の世界にいる人達って、もしかして自分達自身が気づいてないんじゃないか?と最近思い始めたんだが、そもそも、新聞や雑誌には構造的に致命的な弱点があって、それが顕在化しつつある、そんな気がしている。

ネットだと、新聞のサイトがあって、いずれも無料。
日経
http://www.nikkei.com/

読売
http://www.yomiuri.co.jp/

朝日
http://www.asahi.com/

産経
http://sankei.jp.msn.com/

毎日
http://mainichi.jp/

それぞれのメディアに、それぞれの意見があるのは当たり前。
経済中心、ナベツネさんの強力な力、左寄り、右寄り、どっちつかず、など。

『中立』というのは、読者が様々な情報を得て、判断した結果そうなるのであって、どっちつかずの情報は読者は求めていない。新聞には右寄りも左寄りもあって当然。その両方の意見を読んだうえで、どちらが妥当か、世の中の状況も変わるので、その時々に合理的な「中立」の意見を世間は持つ。

新聞自体は中立じゃないし、中立で無難、当たり前の事しか書かないなら存在意義がない。

で、新聞という仕組みの致命的な弱点は、月に3,000円~4,000円もかかるような購読料を、普通の人は2紙も取らない。だから、どれか一つを選ばざるを得ない。つまり、費用対効果がネットに比べて悪すぎるし、非効率過ぎる。

「左に行き過ぎたな・・・」と感じて、それまで朝日を購読していた人が「右に行こう」と産経新聞に変えるだろうか?或は、自分達の主義主張のカラーを出さない、良くも悪くも人畜無害の毎日新聞に変えるだろうか?

月に3,000円(年間3万6千円)以上もかかる新聞なんてやめて、とりあえず新聞の情報はネットの無料サイトで我慢して、そのお金を使って時々雑誌や、本を買おう、そう思うのが経済的には合理的だと思う。

日経新聞を購読している私だが、電子版に金を払う気はしない。鼻につくというか、何とも言えず、有料サイトや有料メルマガは損するような気がするので、やった事がない。

新聞購読ももったいない気はしているんだが、新聞紙は包み紙とか、靴を乾かすためとか、ないと困る面もあるし、スーパーの安売り広告とかも役立つ事もたまにあるので、すぐには購読を辞めはしないとは思う。

でも、もし、『古新聞はご自由にお取りください』みたいなのがマンションの共用部とかにあれば、いずれは新聞購読料(年間4万以上)を節約したくなるかもしれない。

多分、この大きな流れは止まらないと思う。

セクハラとか女性の性が絡む問題は、右と左で意見をぶつけ合うと言うよりも、受け止める側がどう感じたかが重要になる。

ジャニーズの人に「壁ドン」されたら胸キュンで、
アラフォーのオッサンの俺が「壁ドン」したら、多分悲鳴を上げられるだろう。
ある意味で、男側から見れば理不尽な面もあるけど、それは仕方ない。

あんまり意見を言わず、スルーするのが、結果的に誤解を生まない事、世の中には多い。

そういう意味で、読売の「朝日慰安婦報道は何が問題なのか」という20ページの冊子は、海外の人達にさらなる誤解を与えかねない、自分で自分達(新聞や雑誌の世界で飯を食う人達)の首を絞めるような動きのような印象を持った。

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