2016年11月30日水曜日

(371) 理屈と感情

今日、安倍総理による靖国神社参拝という突然のニュース。
 
その是非について述べるつもりはない。
 
ただ、これは、『理屈と感情』の問題であって、理屈での解決は極めて難しいと考えている。どんなに筋道が通っていて、完璧な理屈であっても、感情がトラブルの根本原因であれば、理屈は意味を持たない。こういう場合、むしろ、理屈は話をさらに複雑にする。
 
理屈と感情の問題に関しては、男女間のトラブルを思い浮かべれば、一番解りやすいと思うが。
 
感情的にこじれた場合、どうするのが一番いいか?
 
お互いに適度な距離を置き、冷却期間、クールダウンする期間を持つしかないと思う。
 
理屈が機能しない場合、感情に訴えるアプローチに切り替える事が機能する事もあるが、感情的に双方が高ぶっている時には、極めてリスクが高い。可愛さ余って憎さ百倍、愛憎は表裏一体という言葉もある。男女の場合(夫婦、恋人同士)なら、クールダウンする期間が長すぎると、そのまま別れてしまう事にも繋がるが、近隣国同士は、好む好まざるに関わらず、ずっと近隣国同士のままだ。
 
今回のタイミングでの靖国参拝は、欧米のメディアの報道を見る限り、「早すぎる」というのが、国際社会の受け止め方のように思われる。現在の日中韓の関係は、過去に例がないほど悪い状況にあるというのがその理由のようだ。
 
こういう感情の問題に関しては、岡目八目であり、第三者の意見が一番妥当であるケースが多いように思う。
 
個人的には、(日本人として)今一番避けるべきなのは、これ以上近隣諸国を感情的に刺激するような、『理屈』を必要以上に伝えてしまう事だと思う。現状では、感情の問題をますますこじれさせるだけだと思う。
 
IT・ネットワークの進化によって、近隣諸国の人達(特に中国・韓国)には、日本側から過剰な情報が伝わってしまう。匿名のネットの世界や、(実名でも)過激な発言をする人の言葉は、コピー・ペーストされて、さらに増幅される。多分これはお互いさまであって、中国や韓国側から我々日本人の側への情報に関しても、過激な発言をする人の言葉が増幅され、実態よりも感情的なぶつかり合いが起こりやすい。
 
今回は、小泉さん以来7年ぶりに現職の総理大臣が靖国を参拝したんだから、そのインパクトは強烈だろう。数年前のような、目を覆いたくなるような反日デモが起こらない事を祈る。

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