2016年11月29日火曜日

(317) 大きなお世話

日本語には昔から
『大きなお世話』という言葉がある。
 
【世話】という言葉の語源って、【世間の人の話】らしい。
 
私の説では、世間という言葉は家族という言葉の補完語なので、要するに、
『大きなお世話』というのは、イコール、『家族の中の事には口出ししないでくれ』という事だと思う。
 
参考記事 : 【(237) 「世間」の補完語は「家族」】
 
現代では、家族的な集団の中の事に対して、外部の人が口出しして来るときに、「大きなお世話」と言いたくなる時があると思う。(家族的な集団の例 : 会社など)
 
いまだに、日本人の多くが普通に「ウチの会社」「ウチの組織」と言ったりするのは、そのメンタリティが根強いからだと思う。英語には、ここでいう「ウチの」に相当する言葉は存在しない。
 
「大きなお世話」の英訳は?
 
・・・私は、『ぴったりする訳語は存在しない』というのが正解だと思う。
 
"It's not your business", "It's none of your business", "Mind your own business".
これらみんなそうだが、『家族』或いは、『(自分が所属する)家族的な集団』という意識が希薄なアメリカ・イギリス人には、そもそも、そういう表現(家族のウチと外を分ける事を前提にしている言葉という意味で)が存在しない。
 
これらの英語の和訳は、「私の事は放っておいてくれ!」、あるいは「あなたには関係ない!」の方がピッタリ来る。「『お世話』のお気持ちはありがたく頂戴するが、私たち家族(家族的な集団を含む)の事は自分達で何とかする」という言外に込められたニュワンスが、英語の方には全く入っていない気がする。
 
「世話好きなおじさん、おばさん」という言葉、日本では好意的にも、「うっとうしい」という意味にも使われるが、過去、この膨大な数の「世話好きなおじさん、おばさん」達が、日本社会に貢献してくれた、セーフティネット的な役割は膨大だっただろう。
 
それを本当に政治・国・地方が代行できるんだろうか?
 
私個人的には、日本人が日本人である限り、無理だと思うんだが。

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