2016年11月29日火曜日

(303) 澤口俊之さん

ふと唯脳論(文庫版)を読み返してみたら、最後の『解説』を書いておられる方が澤口俊之さんだった。
 
どっかで見た名前だな、と思って調べてみたら、さんまさんのテレビに出ておられる方だった。テレビで見ていた印象では、面白い、ひょうきんな先生だな、と思っていたが、この公式ブログを見て、ずいぶん印象が変わった。
 
テレビで見る姿と、その方が書く文章とは、全然印象が違う事って結構あるんだろうな。
 
養老先生の『唯脳論』は、何度読み返しても、その度に新しい発見がある。自分の脳が、年を取るたびに、成長して変わって行っているから、前に読んだ時に解らなかった事が解るようになるんだろうと思う。養老先生が『唯脳論』を書かれた年齢に私がなる時に、私はどの程度この本を理解できるようになっているんだろうか・・・
 
一方で、『唯脳論』に対して、良く思っていない方、批判をなさっている方達も大勢いる。しかし、それはインテリ層・知能が高い方の層に多い感じがする。良い評価・悪い評価は、『興味を惹かれる』という点では共通している。面白くもない本なら、そもそもスルーされるだろう。
 
あの後、『バカの壁』の大ブームが来た事で、『唯脳論』の方に対しての関心が結果的に薄れてしまった感じがする。自分の理解が正しければ、養老先生は、『唯脳論』を大勢の人に解りやすく伝えるために、『バカの壁』を書かれたと思う。でも、それはあくまで一般庶民に広く知ってもらう事を目的とすべき。
 
インテリ層・知能の高い人・哲学者・脳科学者の人達の仕事は、『唯脳論』に対しての揚げ足とり的な批評ではなく、それをもっと解りやすく(もし間違っている部分があるなら、自分自身が解りやすい言葉で)日本人全体に対して説明する事だと思うんだが、そういう人、もっと現れてくれないだろうか?
 
今の所、茂木健一郎さんと、澤口俊之さんが、こういう役割を担ってくれている印象。解りやすく世間に説明できるから、視聴率が取れる人材として、テレビで重用されているんだろう。
 
こういうテレビで活躍している人の上げ足取りをするインテリ層の人って、『お互いの意見交換で理解を深めあう』事が目標じゃなくて、『相手よりも自分の方が偉い、頭がいい』、『議論に勝つ』みたいな事、自己顕示を目標にしている感じがして、なんか嫌な感じがする。
 
こういう人、今の日本に多いんだよな~。こういう人の言う事を聞くから、日本は頭でっかちで、先に進めない事が多発する。相手にせず、スルーすればいいんだけど。

ブレーキ役も必要だが、ブレーキばっかり踏んでると、どんどん時代に取り残される事が、多分解ってない。ブレーキ役を「カッコいい事、知性的な態度」などと世間が考えてしまえば、失敗を恐れず、アクセル踏む人がリスクを取る意味が無くなる。そうなれば、誰もアクセルを踏まなくなってしまう。
 
・・・こういう批評家の人達には、俺は絶対に関わりたくない。今働いている組織でも、残念ながら大勢いる。
対策は『全力スルー』しかないんだけど。

本人は気付いてない事が多いから、本当にタチが悪い。

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