2016年11月18日金曜日

(107) nationalismとpatriotism

再び、英語と日本語が1対1に対応していないシリーズ。
 
nationalism : 国家主義、国粋主義、ナショナリズム、狂信的愛国主義愛国心、民族自決主義
patriotism : 愛国心、憂国、報国心
 
どちらの言葉も、「愛国心」と訳されがちだが、
天と地ほどの違いがある。
 
「パトリオットミサイル」という言葉が良くこの違いをイメージできると思う。
(日本にパトリオットミサイルが配備されているとすると)
このミサイルは、自国に飛んでくる中遠距離ミサイル等を、自国に着弾する前に撃ち落とす事が目的。
自国の領地外を攻撃する用途には使われる事はあり得ない。
 
「愛国心」と日本語で言う時、結構誤解される事がある気がする。
現代の日本では、"patriotism"をイメージする事はどちらかと言うと稀で、
"nationalism"、ナショナリズム、ナショナリスト、どちらかと言うと、マイナスのイメージの方が強い。
 
第二次世界大戦の反省が、多分色濃く残っているんじゃないかと思う。
終戦から今年で67年が経過し、「忘れたい」という思いが多分、日本人にはあるだろうが、
戦争は、「過去を反省する」という観点で、風化させてはいけない面がある。
 
俺の想像だが、多分、真珠湾攻撃の前から、玉音放送までの間、
日本の世間、マスコミや国など、日本人総動員して、「nationalism」
に陥ってしまっていたんではないかと思う。
 
世間(現代の言葉で言うと「空気」)、これは実は非常に恐ろしい。
イワシの群れが、集団で群れて巨大な魚影を作るように、
一歩間違えると、全員で間違った方向に進んでしまう。
しかも、自分達が間違った方向に進んでいる事に、イワシの一匹一匹は気付かない。
 
一方で、「patriotism」の方は非常に重要だ。
別に難しい概念じゃない。
例えば、オリンピックで、自国の選手を応援したり、
サッカーのワールドカップで、なでしこジャパンを皆で応援して、優勝したら大いに喜んだり、
野球の国別対抗戦で、日本チームよ、韓国やアメリカに勝ってくれと、テレビで応援している時の気持ち、
それが「patriotism」だ。
 
あまりにも「patriotism」が行き過ぎて、
例えばオリンピックの日本選手の他国のライバルを悪く言ったり、
柔道で、「おかしいのは判定ルールの方だ」と言ったり、
サッカーや野球で、審判の判定に文句をつけたり、
相手の国歌斉唱時にブーイングしたり、
こういう、スポーツマンシップを忘れ、相手への敬意を忘れた時、
それが「nationalism」の入り口だ。
 
世界で信頼される日本人であるためには、
この、「nationalism」を徹底的に自制し
逆に相手国側が「nationalism」的行動を取って来た時には、
毅然とした対応を取る事。
 
これが、グローバル化していく、これからの日本人に必要とされる能力だと思う。
 
東日本大震災という災害を経験して、我々日本人、特に若い人たちが、
「patriotism」を強く感じている。
この「patriotism」、いい和訳が今のところ思いつかない。
「愛国心」という日本語は、「nationalism」の方の手垢にまみれ過ぎている。
「報国心」(国からの恩に報いる心)という言葉もあるにはあるが、あまり聞いた事がない言葉だ。
 
こういう時、日本語は便利だ。
「ペイトリオティズム」或いは
「パトリオティズム」
片仮名にしちゃえばいい
 
英語の発音に近いのは、多分、「ペイトリオティズム」だが、
この際、日本人英語でも許してもらおう。
 
「パトリオティズム」
この言葉、これからの日本に広まって行ってほしいものだ。

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